第4話 「昼飯」

 

Komachiは四国大陸に本社のある「うどんチェーン店」で、Ball Lightsの隣に有る。

今時、かけうどんが100円とは驚きだ。(1円は21世紀始めの1円とお考え下さい)

俺はいつもの「釜玉うどん 中 380円」を注文し、いつもの席に座った。

「また、それかよっ!」

もう1人の「USB」ギターでMushi-Zonoと同じ売場のzelgadissが俺の隣に座った。

「おまえも同じだろ!しかも、ネギ抜きだし!」

「レプリケーターのもいいけど、やっぱ手打ちよね〜」

同じく「USB」ドラムで紅一点、フリーライターのMiya-No-MoriがMushi-Zonoと一緒に向いに座った。

「・・・」

気付くと隣のテーブルに「USB」キーボードで2階鍵盤楽器売場のBed-Lamが座ってた。

彼は非情に無口である。本人は否定しているが、祖先にバルカンがいるらしい。

 

ギターMushi-Zono、zelgadiss ベースmavis ドラムMiya-No-Mori キーボードBed-Lamの5人に、ススキノでスナックを経営してるボーカルginの6人で「USB」だ。

アマチュア・バンドとして有名では無いものの、カルトなマニアのお陰で稀にやるライブはそこそこ客が入る。

 

食べ終わったzelgadissが言った。

「なぁ、こないだ送信した曲、二次審査も通ったって?」

冗談で応募したコンテストの話である。

「優勝したらどうする!?賞品は星間デビューと船だろ?」

やや興奮気味にMushi-Zonoが言った。

「それもワープ9まで出る船なのよ〜維持出来るかしら?」

Miya-No-Moriは空想的なんだか、現実的なんだかよく解らない。

「優勝なんてする訳ないべ〜」

俺は冷静を装いつつ、実は多少期待していた。

 

それでもBed-Lamは無口だった。

 

つづく